- 部屋「躍動」
- 鍵「エネラルド」
9の主に質問を投げかけてみた。
「こんばんは。私に今必要な体験をさせてもらえる部屋と鍵を教えてください。」
『よく、来たね。
部屋は「躍動」鍵は「エメラルド」だよ。』
部屋と鍵を教えてもらっただけで、
ジーンとくるものがある。
部屋をあけるとそこは、あたり一面
「エメラルド」色をしていた。
何も考えず、
ただこの空間に染まっていたい、
そう思った。
しばらくすると、
水の上にいることに氣づいた。
キラキラと水面が反射する。
それをみていると、
水の上に1人の天使が現れた。
巻き毛で金髪の子どもだ。
白い羽に白い服。
手には何かを持っている。
「こんにちは。」
私が呼びかけても、
その子はもじもじとしているだけだった。
私はできるだけ優しい声でたずねた。
「あなた、それは何を持っているの?」
その子がそっと、手の中を見せてくれると、
そこには、ひとすくいの水があった。
「どうして、この水を持っているの?」
『これを飲んでほしいの。』
天使は遠慮がちに言った。
「私が?」
私は言われるままに、その水を飲む。
『これで、私はあなたと一体になった。』
天使がそういうと、
エメラルドの水が渦をまきだし、
その渦が次第に龍となり、
天へと昇っていく!
私はその龍とも一体となり、
どんどん天へと昇っていった。
昇った先は、この前きた「はじまりの場所」だった。
雲の上のようなところに神殿がある場所。
すべてのはじまりの場所だ。
『よく来たね。』といって、
魔女のようなおばあさんが私を出迎えてくれた。
『あなたをずっと待っていたよ。
ようやくここへとたどりついたね。』
ずっと待ってもらっていたんだな、
と思いながら、
「出会えて光栄です。
あなたは私に何を教えてくれますか。」と私はたずねた。
『私はあなたになんでも教えよう。
あなたが知りたいことは何だ?』
「私は今、この世界のことを子どもたちにも伝わる絵本にしたいのですが、絵を書くことが得意ではありません。でも、自分でかけるといいな、と思っているのですが、どうしたらいいですか?」
『書いてみることだ。表現しようとすることでアイディアが湧く。
道を開こうとするトキ、
私からアイディアを送るから、
とにかくやってみることさ。
他に質問は?』
「文をもっと洗練されたものにしたいのですが、何かヒントをください。」
『喜んでアイディアを送ろう。』
とにかく、やってみることが大事らしい。
何を聞いても、アイディアを送ってもらえそうなので、
質問の質を変えてみる。
「エメラルドの意味を教えてください。」
『エメラルドは存在、との調和という意味だ。』
「存在とは、源のことですよね。」
『そうだ。それと調和しているときにエメラルドの色を見る。』
「なるほど!素晴らしい!
エメラルドにはそんな意味があるんですね!」
私は嬉しくなった。
「部屋の「躍動」という意味は何ですか。」
おばあさんは驚いたように、
『存在には、躍動しかないだろう。』と言った。
『この湧き上がるものを君たちの人生に使わない手はないはずさ!』
少し興奮気味におばあさんは言ったが、
冷静になってから、
『それを絵本にしてくるかい?』と私に言う。
「はい、喜んでします!
もっとアイディアが欲しいときには、
また聞きにきますね。」
『ここにこなくとも、
私はいつでもあなたの側にいるから、
それを意識してくれるだけで十分さ。
いつでも心で呼び出してごらん。
いつでもあなたの前に登場するから。』
「ありがとう。とても心強いです。」
『他に聞きたいことは?』
「絵を誰かに描いてもらうのもいいですか?」
『それは自分で決めてごらん。あなたが本当はどうしたいかだ。』
「そうですね。私は自分の手でかけるなら、そうしたいです。」
「でもそれは、自分の世界に閉じこもること、もっといい方法、可能性をつぶしているのではないか、という気持ちにもなります。」
すると、おばあさんは
『失敗などないのだから、やってみるといい。
途中で気づかせてくれる八の主の存在があるだろう?
初めからすべてを完璧にしようとしなくていいのだよ。
だって、あなた方は
常に未完成でいることが素晴らしいのだ。
どこまでも創造の可能性を残し続けているということだ。
我々だって、それを望んでいる。
いつまでも創造し続けることを。
そのために生まれてきたのだ。私も、あなたも。
1つの小さな失敗でつまずいている場合ではないよ。
次々に新しい情報を送り続けている。
それをどんどん受け取り、花開いていってほしい。
もっと、もっと、存在の素晴らしさを知ってほしい。
あなたには、今それを伝えるという役割を与えているのだよ。
それはもちろん義務ではない、
ちょうど、あなたと私の望みが一致したのだ。』
「とても、素晴らしいことですね!
なんてありがたいことなんだと、心が震えます。」
『あなたのその感性をいかしなさい。
その感性が世界をより豊かにしていく。
どこまでも続くこの道を思うように生きなさい。
あなたの視点で、感性で。
この世界を堪能するといい。
それが私の望みで、あなたの望みだ。』
「すてきな体験をありがとうございます。
また、来ます。」と言ってから部屋を出た。