おとぎ話が現実になる時






芋虫はたくさんの足をもつ、
太った小さな虫で、
毎日緑の葉を食べてばかりいる。
そしてある日
食べるのにうんざりする。


かなり太ってしまい、
これ以上食べられないからだ。


そこで芋虫は昼寝をすることにする。
つまり芋虫は芋虫としての自分をすでに
最大限に
利用したので食べるのをやめるのだ。

          
            








           芋虫は小さなシルクの
          ベッドを作り眠りに入る。
          それは食べ物のことを
          夢見るわけではない。


自分が太った芋虫であるところを
夢見るわけでもない。
すでに芋虫にはなったので、
それを夢見るわけではない。


芋虫がその体験を完了したとき、
芋虫としての生の中に足りないものは何もない。


それゆえ芋虫は、
蝶になって飛び立つ夢を見るのだ。


夢の中でそれは、ずんぐりした短い足のかわりに、
黄金の長いストッキングか、
黒い長いストッキングをはいており、
神々の黄金のエリクサーを飲んでいるのだ。


この芋虫はこのような夢を見ている。

あなたは芋虫よりも偉大だろうか?
あなたが自分に気づけば、
もっとよく分かるはずだ。


そしてそれが目覚めるとき、
その夢はとても一貫したものなので、
真夜中を過ぎると分解し始める。


さなぎの中の芋虫は、
まさに数秒で以前の体を溶かして
ゼリー状になってしまう。
ゼリー状になるのだ。

これは本当のことだ。
これは「変態」と呼ばれている。

さて、これはとても重要な点だ。
なぜ芋虫はゼリー状に溶けてしまったのか?


それは芋虫は、
もはや芋虫のように考えておらず、
芋虫の形態を維持するものが何もないからだ。

それは自分が羽根を持っているところを夢見ていたのだ。

       









         それは 自分が飛び立ち
        気だるい夏のそよ風に乗って
        深緑色の葉の下にとまり
     キンポウゲやアヤメやジャスミンから
     蜜を飲んでいるところを夢見ていたのだ。



これは素晴らしいことではないだろうか?
したがって以前の自分を保持するものが何もなければ、
それは溶けてしまい、
それが再び固まる時、
それは夢に応じて再形成される。


そしてそれが目覚めるとき、
それは自分が夢見たとおりの姿になっているのだ。
これは自然の中の偉大な教師だ。
太った小さな芋虫でさえ蝶になることができるのだ。
行儀の悪い小さな人間でさえ、
神になることができるのである。

松果体は頭の中のシャーマンなのだ

ラムサより
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