自我は現在には生きていない
生きられないのだ
なぜならば,
現在というのは本物だから!
そして自我というのはニセ物だ
その二つはけっして出会わない
過去というのはニセ物だ
それはもうありはしない
一度は,それはあった
だが,それが現在であったときには
自我はそこにいなかった
ひとたびそれが消え失せるや,
それが実存的なものでなくなるや
自我がそれを横取りしはじめる
それを貯め込みはじめる
それがぶんどり,
貯め込むのは死んだものばかりだ
自我というのは墓場なのだ
それは屍を,骸骨をかき集める
一方では,それは未来に生きる
またしても,
未来というのはまだ来ていないものだ
それはイマジネーションであり,
幻想であり,夢だ
自我はそれと一緒に生きることもできる
いとも簡単だ
ニセ物どうしというのは
とてもウマが合う
円滑なものだ
何でもいい,
実存的なものを持ち込んでごらん
自我は消え失せる
それだからこそ
現在にいる,
いまここにいることを強調するのだ
(バグワン・般若心経)