わが魂遂に自由となりたるを知りて、われは時間空間の中を旅せり。今やわれ智恵を追求し得ることを知りて、遂には知識より隠され、智恵にて知られず、我らの知れるすべてを超越せる延長の界にと通過するに到れり。おー人よ、われこの知識を得し時、今やわれ自由となりたれば、わが魂に幸せみなぎれり。空間に生れし者よ聞け、わが智恵に聞け。汝らもまた解脱するならんことを知らずや。 (エメラルド・タブレット)
空間に生まれし者としての主体の確立
何もない中に、風の音が聞こえる。
ヒュー、ヒューと風を感じる。
暗闇の中に薄雲のようなウズがスガタを顕す。
風の音とウズはだんだん
大きくなっていったかと思うと
遠くでナミの音が聞こえてきた。
寄せては返すナミのリズム、海のように…。
スガタは見えないが、
その波動を感じる。
カラダはウズの回転と、
ナミが同時に起こっているように
ゆっくりと旋回運動を繰り返す。
心地よい。
2拍子のような単調なリズムは
呼吸のようでもあり、
また子守歌の中で揺すられているような
安心感に包まれている。
ナミはだんだんと満ちてくる。
この中で「在る」という
存在の認識が目覚めると
同時に、「ブオーン!」
というドラの音が鳴り、
間欠泉のように一条の光が立ち昇っていく。
その光は透明な白銀、プラチナ色で、
上へ上へとのびていく。
そして羽を広げ円弧を描くように、
左右二方向に広がっていく。
円の内に空間が開けていく。
左右に分かれた光は、
中心で一つになり撚り合わさるように上へと昇り、
また広がりを繰り返す。
空間が生まれていくという
喜びがこみ上げてくる。
はじめて空間を体験するような新鮮な喜び。
ドラは自らの存在を空間に
知らしめるようになり続けている。
その振動で宇宙微粒子が目覚めていく。
宇宙微粒子の一つひとつが
自分の意識であり、
自らの空間が広がっていくのがただただ嬉しい。
羽の先は繊細で、
その振動を巻き散らし揺り動かすように
細かな宇宙微粒子を揺り動かしていく。
繰り返されることに、
空間は拡大し、
中心の撚り合わさりの本数は増し
色がアラワレていく。
金色、紫、青を強く感じる。
色が現れるのが、
ただただ嬉しい。